2004年08月22日
(今はアテネだけど)東京オリンピック
市川崑 監督の「東京オリンピック」を観ました。
今でこそ、「記録映画」や「ドキュメンタリー」というジャンルは確固としたものとして捉えられていますが、そもそもこの作品によってこのジャンルが確立されたということを知るに至り、それは結局は「監督の個性が生み出し得たものだったのだ」という感が大きいです。
予備知識もそれ程無く観始めたのですが、東京オリンピックを素材にした映像実験的な作品だなというのが、最初に感じた点でした。
超望遠による、パースがベッタリした“動く絵画”のような選手の躍動感や、「人々の息吹と心の交流」と捕らえた感動的なひとコマ、そして、対象をあくまでもオブジェの様に切り抜き取り出してみせる絶妙の手腕など、監督の映像美がひしひしと伝わってくる傑作です。
最近発表されたディレクターズカット版の長さが公開当時版よりも短いことからも伺えますが、いささか冗長な部分もあるように感じました。
しかし、それでも空気感の共有という役目を十二分に果たしている印象を受けてしまう辺り、監督の強烈なメッセージ性とその徹底さ具合というものに思いを致さずには居れません。
東京オリンピックの記録を観ているつもりが、いつしか、「東京オリンピックという“広大で閉じた”世界」に身を置いていることに、驚きとも発見ともつかない、独特の居心地を感じることでしょう。
2004年08月22日 17:08 | 4.映画・音楽・テレビ
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